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歯周病の治療には糖尿病の予防や進行をおさえる効果があります
2017年10月05日

歯周病を口の中だけの病気だと思っていませんか?

じつは、歯周病と糖尿病は互いに影響しています。

歯周病(歯槽膿漏)になったら糖尿病を疑ってみましょう。

歯周病と診断されたら糖尿病の検査をすることをおすすめします。

糖尿病は一度かかってしまうと治らない病気ですが、進行を抑えることはできます。

 

そもそも糖尿病とはどんな病気?

糖尿病は血液の中の血糖の量が正常な量よりも常に多い状態になる病気です。

血糖値が高いままの状態が続くと別の病気にかかりやすくなります。

専門用語で合併症といいますが、大きく分けて2種類の合併症があります。

1つは細い血管にみられる症状で、細少血管症といい、「糖尿病の3大合併症」と呼ばれています。

もう1つは大きな血管におこる症状で、大血管症といい、これは大きな血管の病気である動脈硬化によっておこる合併症です。

動脈硬化は糖尿病があると進行しやすくなり、脳卒中や心筋梗塞、足の壊疽などの深刻な状況を引き起こす原因になります。

 

細い血管にみられる症状

 

糖尿病腎症

糖尿病になると、腎臓の働きが悪くなります。

腎臓が正常に機能しなくなると、血圧が高くなったり、体がむくんだり、おしっこにタンパクが混ざるようになります。

さらに、症状が進むと、血液中に老廃物などの汚れがたまり、腎臓がまったく機能しない腎不全となり尿毒症など命のかかわる重い症状を引き起こします。

腎不全になってしまうと、人工透析を受けないと生きていけない体になってしまいます。

 

糖尿病神経障害

神経の働きが低下して、脳への連絡や脳からの命令がすばやく確実に伝わらなくなってしまい、手足のしびれ、ほてり、痛みなどの症状があらわれます。

また、足の感覚が鈍くなってしまい、ちょっとした傷やケガをしてもそれに気付かず手当てをしないまま放置してしまい、潰瘍や壊疽(えそといい、腐ることです)になることもあります。

 

糖尿病網膜症

目の網膜の部分の血管がやられ、目のかすみや視力の低下が現れます。
症状がひどくなると失明してしまうことがあります。

 

大きい血管にみられる症状

 

脳卒中

脳卒中の代表的なものに、脳の血管が詰まる脳梗塞と脳の血管が破れる脳出血があります。
糖尿病の人に多いのは脳梗塞です。

 

心筋梗塞

心臓の筋肉に栄養や酸素を送る冠動脈という血管が動脈硬化によって起こる病気です。

心臓の働きが急激に低下し、命にかかわることがあります。

糖尿病になると、心筋梗塞の危険度が高くなります。

 

末梢動脈性疾患(まっしょうどうみゃくせいしっかん)

足の血管の動脈硬化によって血液の流れが悪くなることで、ふくらはぎなどが痛くなり運動ができない、休みながらでないと歩くことができないなどの症状がでてきます。

症状が悪化すると、足が腐ってしまい切断するしかない状態になってしまいます。

 

糖尿病になる原因は?

糖尿病になる原因は2つあります。

1型糖尿病

1つはインスリンをつくる膵臓(すいぞう)の細胞が何らかの原因で壊されることです。

インスリンができなくなり、糖尿病になります。

 

2型糖尿病

1つは食べ過ぎ(特に油物)や運動不足による肥満や内臓脂肪の増加(メタボリックシンドローム)、ストレスなどの生活習慣や加齢といった要因が原因です。

インスリンの働きが低下したり、インスリンの分泌が不足し、糖尿病を発症します。

2型糖尿病は「生活習慣病」ともいわれます。

 

日本の糖尿病患者さんの約95%が2型糖尿病です

日本人は遺伝的にインスリンの分泌が弱い人が多いとされています。

そのような遺伝体質に上記のような生活習慣をつづけることで糖尿病になります。

2型糖尿病の治療は食事慮法と運動が中心になりますが、それでも改善しない場合は、薬による治療になります。

糖尿病の怖いところは、血糖値が高い状態が続いても、自覚症状がまったくないことです。
わかったときには症状がかなり進行していたということになりかねません。

 

歯周病は糖尿病の合併症の1つ

まったく関係がないように思える糖尿病と歯周病ですが、共通することがあります。

それは、どちらも「生活習慣病」であること。

2つとも、食べ過ぎ、栄養バランスの悪い食事、運動不足、ストレスといった生活習慣が原因で発症する可能性が高い病気です。

そして、これまでに行われてきた調査研究から、歯周病と糖尿病の関係でわかってきたことがあります。

 

糖尿病の人は歯周病に罹っていることが多い

糖尿病でない人に比べて2倍ぐらい多く歯周病が起きやすくなる。

また、糖尿病の患者さんは歯周病の症状が悪化する傾向があります。

 

歯周病の人は血糖値が高い

歯周病が進行している人には、血糖値が高い人が多いと言われています。

この血糖値が高いということが、歯周病菌を増やす原因になっています。

糖尿病の人は唾液の分泌が減り、口の中が乾燥しやすくなります。

口の中が乾燥すると、歯周病菌が繁殖しやすくなるのがその理由です。

 

歯周病の人が糖尿病になりやすい理由は?

人の体は、細菌やウイルスをやっつけるために、サイトカインと呼ばれるタンパク質を分泌します。

歯周病の人は、歯肉の中にこのサイトカインが分泌されます。

本来は体を守ってくれる有益なタンパク質なんですが、このサイトカインはインスリンの働きを抑えるという別の一面を持っています。

歯肉の中で作られるサイトカインが血液を介してインスリンの働きを邪魔するために、糖尿病を悪化させていると考えられています。

歯周病の治療をおこなうことで、歯肉の中のサイトカインの分泌が減少し、インスリンの分泌が改善することがわかってきています。

 

歯が無くなることも大きく関係しています

歯周病などで歯がなくなると、固いものを避け柔らかい食事が中心になりがちです。

そうすると、噛まずに飲み込んでしまう食べ方をしてしまうようになります。

よく噛まない食事は、血糖値が急激に上昇します。

これも、糖尿病の原因になります。

 

歯周病を治すことは、糖尿病の予防につながります

毎日の歯磨きを見直しましょう。

しっかりとプラークコントロールすることが重要です。

歯科医師や歯科衛生士にブラッシングのやり方を教えてもらいましょう。

また、定期的に歯科医院で歯科衛生士に口腔内の清掃(PMTC)をしてもらうことは歯周病の予防と進行を止めるのに大変有効です。

 

歯科医院で歯周病の診断を受けてください

歯科医院に通院する患者さんの3割の方が血糖値が高い状態にあり、そのことを知らないまま生活しているひとが多いという調査結果がでています。

糖尿病は、自分でも気付かないうちに進行している病気です。

そして、進行した糖尿病が完治することはありません。

症状を悪化させないためにも、口腔内の清掃をはじめとした生活習慣の改善をはかることが大切なことです。