酸蝕歯になる原因と歯が溶けるのを予防する方法は？

2017年10月05日

炭酸飲料水やジュースなど酸性度の高い飲み物を時間をかけて飲んでいませんか？

酸性度の高い飲み物や食べ物は摂り方を間違えるとあなたの歯が溶けてしまいます。

歯は食べ物や飲み物に含まれる酸で溶けます。

これを歯の酸蝕（さんしょく）といい、酸蝕によって溶けてしまった歯を酸蝕歯（さんしょくし）といいます。

溶けてしまった歯は、元にはもどりません。

虫歯と酸蝕歯はどう違う

虫歯とは？

虫歯は虫歯菌がだす酸で歯が溶けます。

歯の溝や歯と歯の間など、汚れの溜まりやすい場所から歯が溶けはじめます。

酸蝕歯とは？

酸性の食べ物や飲み物が繰り返し歯と接触することで溶け始めます。

飲食物は口の中全体に広がりますから、たくさんの歯が同時に溶けてしまいます。

酸蝕すると歯はどうなる？

前歯

表面のエナメル質が白く濁って見えたり､歯の内側の象牙質が透けて見えてきます。

症状がひどくなると、歯の先端が欠けて歯が短くなり見た目が悪くなってしまいます。

奥歯

歯がどんどんすり減っていくので、冷たいものがしみたり、物を噛んだら痛みを感じるようになります。

何故、歯が溶けてしまうのか？

歯はカルシウムやリンなどのミネラル成分でできています。

それらは酸に触れると化学反応がおこり分解されてしまうんです。

虫歯のないきれいな口の中での、間違った食生活で歯が溶けてしまうので注意が必要です。

酸蝕歯になりやすい飲食物とは？

コーラ
オレンジジュースなどのソフトドリンク
黒酢リンゴ酢などのお酢飲料
スポーツドリンク
栄養ドリンク
柑橘類などの果物
お酢を使った酢の物など

これらを、毎日のようにちびちびと時間をかけて食べたり飲んだりする傾向がある人ほど酸蝕歯になります。

酸蝕歯になりやすい飲み方やクセとは？

○デスクワークなど仕事中の栄養ドリンク

○運転中の炭酸飲料やスポーツドリンク

○ミカンなどの柑橘系の果物を前歯でかじるクセのある人

○酢の物を上下の前歯の間ですすって食べるクセのある人

酸蝕歯にならないために普段から注意する２つのことは？

長い時間、だらだらと飲み食いしないこと

少量ずつ、ちびちび飲んだり食べたりしないこと

このような飲食をすると長い時間、歯を酸にさらされることになり、酸蝕歯になりやすくなります。

そうはいっても、炭酸飲料水やジュースはおいしいから飲みたくなるし、栄養ドリンクを飲まないと仕事にならないから手放せない。

黒酢やリンゴ酢は健康にいいからと長年飲み続けているから今更やめたくないと思っている人もいるでしょう。

それに、酸性だからといっても身体にいい飲み物や食べ物はたくさんあります。

酸蝕歯の特徴は？

歯が黄色くなってきます。

歯の表面のエナメル質がうすくなって、内部の色の濃い象牙質が透けて見えるようになり歯の色が黄色くなります。

歯の角がとれ丸みなってきます。

歯の先端がひび割れたり、ギザギザになります。

奥歯の咬合面のクレーターのようなくぼみができます。

熱いもの、冷たいもの、甘いものを食べたら歯がしみるようになります。

こんな状態になったら、酸蝕歯を疑いましょう。

歯の酸蝕を防ぐ飲み方とは？

酸性飲食物を摂ったら、水やお茶などの中性の飲み物を一緒に飲むようにしましょう。

ちびちび飲まずにぐっと飲み干すようにしましょう。

ストローを使って飲みましょう。

一番手軽にできて、効果がある方法とは？

唾液を十分にだすことです。

唾液は酸性に傾いた口の中を中和する働きがあります。

だから、普段の生活の中で、酸性の飲食物を飲んだり食べたりしても、すぐに歯が溶けずにすんでいるんです。

唾液がたくさん分泌するよう、よく噛んで食べるようにしましょう。

酸性の飲食物を摂ったときには、意識してお口全体に唾液を行き渡らせましょう。

特に前歯には唾液が届きにくいので、前歯に唾液がいくようにしてください。

歯ブラシの使い方は？

また、酸性の物を食べたり飲んだりした直後は、歯の表面が軟らかくなっていますから、毛先が硬い歯ブラシでゴシゴシ磨かないように注意してください。

ブラッシングは効果的な方法ですが、磨き方を間違えると歯にダメージを与えてしまいます。

歯磨き粉はなにがいい？

酸蝕歯の予防に効果がある成分が含まれている歯磨き粉を選びましょう。

フッ素

キシリトール

ハイドロキシアパタイト

リカルデント

これらが配合されている歯磨き粉を選びましょう。

研磨材に注意！

歯磨き粉のなかには研磨材が含まれているものがあります。

研磨材は歯の表面にダメージを与えますので、使用するのを控えてください。